「そんな小説みたいな展開、起こるわけが無い」
「小説みたいに上手くいくわけないだろ!」
そんな言葉を、聞くことがある。

じゃあ、その「小説のような」とは、一体、どんな状態のことだろうか?

よくあるのは、やっぱり「都合のいい展開」のことだろう。

例えば、ピンチには手助けが現れたり。
例えば、魔王が復活すれば勇者も現れたり。
例えば、ヒロインは必ず主人公に惚れたり。

それは、よくある英雄譚であり、よくある恋愛小説であり。
そのあたりを思い浮かべれば簡単であると思う。

確かに、小説はよくできすぎている。
でも、だからといって


本当には、起きないのだろうか?


個人的には、起き得ると思っている。
起き得るから、小説では何度も題材にされてきたし
起き得る可能性の中で最上の可能性だから
愛され続けてきたのだろう。


もっとも……。
サーガは、地味な物語を選ばないだけでもあるのだが……。


夢物語のような、すばらしい展開。
おおよそありえないようなご都合主義な展開。
だからと言って、求めることをやめ
諦めたりはしないで
その可能性を追ってみてはどうだろう。
追わない限り、きっと可能性は背中すら見せてはくれないだろうから。

それこそ……。
諦観を抱いたままでは、小説のような展開になるかもしれない。

そんな彼らは、おおよそ似たような末路をたどっていただろう。



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