「だーかーらー!意見まとまんねーだろ!!」
ついにチカちゃんが怒鳴った。
さすがに、騒いでいた本田君と横山君も静かになる。
「大体、なにこの海って!今の季節わかってるの?
……聞いてるのか横山ァ!」
「うおっ!?はい、聞いてますよ!?」
「だったら今言ったこと繰り返してみろ!」
「え、えーと……な、長谷サンが、どうしても彼氏が欲しいとうがっ!?」
突然横山君が後ろに倒れこむ。
見ると、チカちゃんが拳を突き出していた。
相変わらず、騒がしい昼休み。
だけど、これまでとは少し状況が違っていた。
今までは、私たち三人だけだった。
だけど、今は、横山君、そして本田君を加えた、五人になっている。
で、なぜ今こんな騒ぎになっているのか、というと
もうすぐ卒業が近い私たちで、中学最後の思い出を作ろうと
卒業旅行の計画を練っているところ。
いい感じに男の子二人が盛り上げてくれて、楽しく計画は進んでいる。
……んだけど。
「痛っでええええええ!!ンの暴力おん」
「あ?」
「いひぇっ!?何でもありません!!!」
「いっそもう一発殴られれば少しはマシになるんじゃないのか?」
「酷いっ!?ホンダ、キサマそれでも友達かぁぁぁぁぁぁぁあ!」
こんな感じで、まったく進まなくなることも珍しくはない。
結局のところ、アキちゃん一人にまかせっきりになってしまっていた。
……あれから、もう、半月近く経っている。
思えば、本当に長い、数日間だった。
だけど、その結果は、今、ここにこうしてある。
私にとって、最高にハッピーな形で。
これからも、本田君と二人で……
ううん。私たち、五人で。
ずっと、ずっと、楽しくやっていきたいと思う。
バレンタインは、年に一度、女の子が積極的になれる
神様がくれた勇気の出る日。
神様、本当に、ありがとう。
バレンタインという日をくれて。
あの日の勇気を通して、私はかけがえのない宝物を見つけられた気がします。
「……?ミー?ミーは、どこがいいの?」
「え?うん、そうだね、私は……」
このお話は、ここでおしまい。
だけど、私たちの物語は、これからも、ずっと。
それじゃあ、また会える日まで。
バイバイ。