「美崎ー?晩ごはんはー?」
「いらない……。」
「そう。……あんた、ぜんぜん食べてないじゃない。大丈夫なの?」
「うん……。」
「そっか。」
足音が遠くなっていく。
私は今、部屋に居る。今日は、電気をつけないで、ずっとベッドの上に居た。
「はぁ……。」
出てくるのは、ため息ばかり。
暗い部屋にやけに大きく響いたような気がした。
どうやら、私は本田君に迷惑がられていた、らしい。
嫌われていただけではなく。
―――机の上に目をやる。
そこには、できる限りかわいらしく包んだケーキと、その横にクッキーの入った袋。
結局、渡せなかった。
―――十四日じゃないと意味がないの―――
もう、十五日。しかも夜。
……でも。
渡さないんじゃ、もっと意味がない。
十四日じゃなくても。二日遅れでも。
それでも。
相手が、本田君が迷惑がっていても。
たとえ、目の前で捨てられることになっても。
それでも!
私は、渡そうと思う。
気持ちを、伝えるために。