「本田、おい、本田!」
遠くから声が聞こえる。
「生きてんのか?いや、マジで。」
肩をゆすられて、少しだけ声が近くなったような気がした。
声をかけていたのは、ミツル。やけに心配そうな声になっている。
コイツがここまで心配するのも仕方がない。
俺は、コイツと出会ってから、一度として落ち込んだことがなかった。
どんなな事があっても、二人で笑い飛ばしてきた。
だけど、今回は違った。
相談できない。というか、ミツルも原因は知っている。
だけど、今回は笑い飛ばすわけにはいかない。
相談するつもりもない。
これは、俺の問題だ。
それを察しているのか、ミツルも深くつっこんでこない。
ただ、一言。
「本当に謝る気あるんだったら、いつまでも腐ってんじゃねーぞ。」
「ああ。すまね」
応えると、ミツルは俺の頭を軽くたたいて去っていった。
サンキュ、ミツル。
……ん?俺、あいつに謝るつもりだなんて言ってないのに。
……たいしたヤツ、だよな。
決戦は、放課後。
誰との?……多分、俺との。
どうやって、木村さんを呼ぼう。
彼女が居なければ、意味がない。
決戦の内容は、彼女に謝る、というものだから。
……って、どうやって呼べばいいのだろうか。
あんなこと言っておいて、いまさら呼んだところで来てはくれないだろう。
……問題は、まだまだ山積みだった。