「なんなんだよ……。」
正直、あせっていた。
早く、木村さんに声をかけなければいけないのに。
ただ一言、「ごめん」と言うために。
なのに。
「いいから来い。」
……命令かよ。
昼休みも終わりに近づいた時。
「おい、本田。」
机に顔を伏せていた俺に、長谷さんが声をかけてきた。
「放課後、時間空けときな。」
「はぁ?なんだよ?」
「いいから空けとけ。」
それだけ言うと、とっとと行ってしまった。
そして放課後、授業が終わるなり
「来い。」
だった。
これは、アレなのだろうか。
決闘、とかいうヤツ。
このまま屋上or運動場、あるいは中庭に行って、バトルスタート、ってな風に。
でも、心当たりなんかないし……。
長谷さんとも、何もなかったはずだし……。
「なぁ、どこ行くんだ?」
「屋上。」
……やっぱり、決闘なんだろうか。
そういえば、長谷さんは木村さんと仲が良かったはずだ。
「何シケたツラしてんの。」
俺の顔を見てそう言ってから、なぜか少し笑う。
「何だよ?」
「別に。ほら、早く行きな。」
いつの間にか屋上まで来ていた。
あとは、扉一枚くぐるだけ。
長谷さんは、その扉を指していた。
ドンッ
「おわっ!?」
「じゃ、頑張れよ。」
バタン。
突然背中に衝撃があったかと思うと、扉が閉まる音が聞こえてきた。
つんのめりはしたが、さすがに倒れ込みはしない。
なんとかバランスをとり、顔をあげた。