「ねぇミー。何シケたツラしてんのよ。」
「うーん、ちょっと……。」
「あのね、チカちゃん。」
元気のない私のかわりに、チカちゃんが説明をしてくれた。
「はぁ!?そんなことがあったの!?」
うなずく。
「声をかけたら、消えろよ、俺を悩ませるな。って。」
「あのヤロー。いきなりンなこと言うなんて、最低だな。」
「でも……。」
「ん?」
「でも、いくら私が迷惑がられていても、気持ちだけは伝えたいの。」
そうつぶやいて、鞄をあける。中から、小さな包みと、袋を取り出す。
「こっちがみんなの分で」
袋を指して
「こっちが……、本田君に渡すほう。」
包みを指す。
チカちゃんが、小さくため息をついた。
「まったく。一途だね、あんたも。……ちょっと待ってな。」
それだけ言うと、チカちゃんは本田君の方へ向かっていった」
「あ、チカちゃ……」
アキちゃんが止めようとして、やめた。
「……そうだね、今は、チカちゃんに任せよ?チカちゃんなら、巧くやってくれるから。」
「うん……。」
チカちゃん、アキちゃん、本当にありがとう。
「んっ……」
涙があふれそうになった。
でも、だけど。今は、まだ泣かない。
彼に、本田君に気持ちを伝えるまで。
もう、本田君に迷惑をかけない、つまり、二度と近づかない、最後の儀式を終えるまで。
そして、本田君の前を離れた時まで。
そのときまで、涙は取っておきたかった。
じゃないと、ガマンができなくなりそうだった。