2ndDay side Boy


「ようセイジ。おは……いてっ!」
いつものようにハイテンションなミツルを、とりあえずしばいておく。
「んだよ、朝っぱらから。」
「別に。」
「何かあったのか?」
「別に。」
「へーへー。そういうことにしとくわ。」
「おー。」


「ふー。」
どうにか、昨日よりはマシになった。
授業中も休み時間も、自然と目が向くようなことはない。
やっぱり、睡眠は偉大だ。

「さぁー、放課後が楽しみだ。」
「何がだ?」
昼休み。いつものようにミツルがやってくる。
こいつがハイテンションじゃない日は見たことがない。
「ほら、靴箱にチョコが入ってるかもしれねーじゃん?」
「とても食えるモンじゃなくなるな。」
「るせ。他にも、女のコに呼び止められるかもしれねーじゃん!」
「何々君に渡してください、ってな。」
「そうそう。期待させといてあの人に―――って違うっ!!
 俺にだよ!俺に!」
「ふーん。まぁ頑張れ。」
「あ、ヒデェな。」
というか、どうやればこんなにポジティブでいられるんだろうか。
「そーいやお前、この人から!って人いんの?」
それとも、こいつも悩むことがあるのだろうか(とくにああいう方面で。)
そう思ってこっちから振ってみるが
「美人なら誰でもいーかな。」
「あ、さいですか。」
訊いた俺がバカだったようだ。
「お前は?」
「別に。」
「さいですか。」



「ふぃー。」
今日の授業も終わり。
そして明日、明後日は休みだ。
「おーいミツル。けーるぞー。」
もたもたと片づけをしているミツルを呼ぶ。
しかし、ミツルは返事をしない。
「おい、何やってんだ?」
もう一度声をかける。
片づけを終えたらしく、こっちにやってくる。
……妙な笑顔で。
というか声に出して「くっくっくっ」とか言うな。
「はっはっはっはっはっはっは!すまんなセイジ。今日は帰さな……じゃない。帰れないぜ。」
「なんだよ、気持ちわりぃ。」
「実はな」
なぜか小声になり、周囲を気にする。
「ある女子からな、放課後にちょっと待っててくれって言われてな。」
「ほぅ。ついに宅配開始か。」
「そうなんだよ。貴方の想いを東西南北どこまでも〜って、違う!
 そもそもお前は、チョコの宅配のために、人を待たすのか!?」
「多分。」
「お前、多分人じゃねぇ……」
ミツルが何かを諦めたような声になる。
「だぁー、わぁってるよ!で、イタズラなんじゃねーの?誰も来ませんでした、みたいな。」
「違う。絶対違う。あの子はそんな子じゃない。」
「たいした自信だな。誰なんだ?」
「ふっふっふ。どうだ、うらやましいか?でも、誰かまでは言えねぇな。
 ま、月曜日を楽しみにしてな。」
「ま、お前の幸運を祈っててやるよ。」
「やめろ。疫病神が憑く。」
「ハハ、つけてやろーか。」
「やめろっての。」
しばらく、小さな追いかけっこが続く。」

「ハハハ、っと。俺そろそろ帰るわ。じゃな。」
「おー。じゃーな負け犬。お前にも幸運を、ってな。」
「るせー。」
くそ、本当に負け犬な感じがするのは何でなんだろう。
ミツルの分際で。


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