今日は晴れ。非常に天気がいい。
昨日積もった雪も、もうほとんど溶けている。
影なんかに少し残っているくらいか。
「あっ。白木くーん!」
昨日出会った少女、澄沢さんが駆け寄ってくる。
今日も公園に来てたのか。
……っていうか。なんで僕もここに?
足が勝手に向かったというかなんというか。
「どうしました?」
「ん?あ、いや、気にしないで。」
なんか昨日も同じ事を言った気がするが、気にしない。
「そういや、澄沢さんは、毎日ここに来てるの?」
昨日のベンチの方に向かいながら尋ねてみる。
「はい。毎日、散歩に来てるんです。白木君もですか?」
「うーん、僕はなんてうか……、偶然、かな。」
そんな曖昧な答えに、彼女は笑ってみせる。
「そうですか。なにか、すごいですよね。そういうのって。」
「何が?」
バカみたいな声で聞き返す僕に、彼女はまたクスリと笑う。
「だって、倒れていた私を、偶然通りかかった白木君が助けてくれて。
今日、その場所で偶然再会したんですよ?素敵じゃないですか。」
そう真剣に語る彼女は、どこか可笑しかった。
「そう、かな。」
「そうですよ。」
そして、二人して笑った。
「ふぅ。……雪、溶けちゃいましたね。」
彼女が、ふと思い出したように呟く。
「うん。いい天気だからね。それに、この辺じゃあ雪自体珍しいことだし。」
「そうですね……。また、降るといいですよね。」
「また倒れてたりして。」
「あぁ!ひどいですよ!!」
また、二人して笑う。
「あ、そうだ。白木君、冬休みの間、忙しいですか?」
ベンチから立ち上がり、振り返る。
「うーん、特に、忙しくも無いけど。」
それなら、と彼女はいい事を思いついたとばかりに笑顔になる。
「毎日、この時間に、ここで会いませんか?」
それは思いもしなかった言葉で、僕はつい
「え?うん、いいよ」
と、答えてしまった。
別に、問題はないんだけれど。
「それじゃあ、明日もこの時間に。」
「うん、じゃあね。」
手を振る彼女に手を振り返し、帰路につく。
彼女は言った。
偶然の繰り返しで知り合うことができるなんて、すごいじゃないですか。と。
確かに、出会いは偶然だったのかもしれない。
でも、今日公園に向かったのは、実は偶然じゃなかった。
たしかに、なんとなく、っていうのが大半だったけれど。
実は、「彼女にまた会えるかもしれない」と思ってもいた。
それとも、こう思ったことも「偶然の繰り返し」の一部なのだろうか。
それにしても、僕がOKしたときのあの笑顔。
僕なんかと毎日会えることが、そんなにうれしいのだろうか。
……。
それほど、暇なのだろうか。
「なんだお前、明日も出かけるのか?」
「いいじゃないか。別に。」
アニキに突っかかられた。
「ま、別にいいけど。コレか?」
小指を立ててみせる。
「バーカ。」
そう言い残して部屋に入る。
バカアニキ。……古いんだよ。