今日も晴れ。
冬だというのに、それを感じさせない天気だ。
雪はもう残っていない。
「ちょっと、早かったかな。」
公園に彼女の姿は無い。
まぁ、すぐに来るだろう。
「ケホ、ケホ……。白木くーん!はぁはぁ……。」
ほら来た。
「って、なんで息切らしてんの。」
「……っ、はぁ、その、ちょっと……。走って……、はぁ、きた、から……。」
胸に手を当てて、肩で息をしている。
「そんなに急がなくてもいいのに。」
笑いながら声をかける。
「だって、約束、した……、じゃないですか。」
少しずつ呼吸が落ち着いてくる。
「ははは、律儀だなぁ。」
「大事なことです。」
ちょっとキツめの声で言われてしまった。
「そういえば、白木君は、休み時間とかは何をしているんですか?」
ベンチであれこれ話した後、こんな話題になった。
「そうだなぁ、ほとんど毎日、友達とバカな話で盛り上がってるかな。澄沢さんは?」
彼女は少し驚いたような顔をして、それから答える。
「私は、友達と昨日のテレビの話をしたり、図書室で借りた本を読んだりしてます。」
「普通だね。」
「あ、ひどいこと言いますね?」
彼女は少しだけむくれる。
「普通が一番ですよ。」
「そうかなぁ。」
「そうですよ。」
「でもさぁ、普通だと、つまらなくない?」
「そんな事ありませんよ。何でもない日常を過ごせるなんて、すばらしいことですよ?」
「なんか、おばさんくさいなぁ……。」
「あぁ!ひどいですよぅ……。」
「うわっ、もうこんな時間だ!」
公園の時計に目をやる。
「本当、ずいぶん経ちましたね。」
「話してるだけなのに。すごいなぁ、なんか。」
「本当に、すごいですね。」
二人して時計を見つめる。
「さてと。」
たちがる。
「もうそろそろお開きにする?」
「うーん、そうですね。それじゃ、また明日。」
彼女に手を振り、帰路につく。
おどろいたなぁ。
話しているだけなのに、あんなに時間が経つなんて。
でも、隣のクラスなら、一度くらい姿を見ていると思うんだけど。
うーん、どういうことだろう。
ま、いいか。別に忘れてるだけかもしれないし。