3日目


今日も晴れ。
冬だというのに、それを感じさせない天気だ。
雪はもう残っていない。

「ちょっと、早かったかな。」
公園に彼女の姿は無い。
まぁ、すぐに来るだろう。
「ケホ、ケホ……。白木くーん!はぁはぁ……。」
ほら来た。
「って、なんで息切らしてんの。」
「……っ、はぁ、その、ちょっと……。走って……、はぁ、きた、から……。」
胸に手を当てて、肩で息をしている。
「そんなに急がなくてもいいのに。」
笑いながら声をかける。
「だって、約束、した……、じゃないですか。」
少しずつ呼吸が落ち着いてくる。
「ははは、律儀だなぁ。」
「大事なことです。」
ちょっとキツめの声で言われてしまった。

「そういえば、白木君は、休み時間とかは何をしているんですか?」
ベンチであれこれ話した後、こんな話題になった。
「そうだなぁ、ほとんど毎日、友達とバカな話で盛り上がってるかな。澄沢さんは?」
彼女は少し驚いたような顔をして、それから答える。
「私は、友達と昨日のテレビの話をしたり、図書室で借りた本を読んだりしてます。」
「普通だね。」
「あ、ひどいこと言いますね?」
彼女は少しだけむくれる。
「普通が一番ですよ。」
「そうかなぁ。」
「そうですよ。」
「でもさぁ、普通だと、つまらなくない?」
「そんな事ありませんよ。何でもない日常を過ごせるなんて、すばらしいことですよ?」
「なんか、おばさんくさいなぁ……。」
「あぁ!ひどいですよぅ……。」

「うわっ、もうこんな時間だ!」
公園の時計に目をやる。
「本当、ずいぶん経ちましたね。」
「話してるだけなのに。すごいなぁ、なんか。」
「本当に、すごいですね。」
二人して時計を見つめる。
「さてと。」
たちがる。
「もうそろそろお開きにする?」
「うーん、そうですね。それじゃ、また明日。」
彼女に手を振り、帰路につく。

おどろいたなぁ。
話しているだけなのに、あんなに時間が経つなんて。
でも、隣のクラスなら、一度くらい姿を見ていると思うんだけど。
うーん、どういうことだろう。

ま、いいか。別に忘れてるだけかもしれないし。





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